保険に入る?入らない?ホントに得するのはどっち?(前編)

2018-09-04

 毎月保険料を負担して、どれくらい損失負担額をカバーできるのか。
あるいは、保険料が保障額を上回らない、というケースはあるのか。
今回は、5つのCASEを説明します。

死亡したとき ・・・ 人生最大のリスクは千万単位で変動

※夫35歳、妻30歳、子5歳と3歳。公的保障額は子供が18歳になるまで、年収600万円の場合

◆死亡したときの損失金額をチェックする
 <死亡時の家計の損失=将来受け取れただろうお金>

 万一の場合、どれくらいの経済的損失(遺失利益)があるかを計算するひとつの目安に
ライブニッツ方式というものがあります。
あくまで試算ですが、これによると年収600万円の人が35歳のときに亡くなったときの遺失利益は6637万円となります。

◆夫が死亡したときの遺族年金
夫や妻が亡くなったときは公的な保障として遺族年金を受け取れます。
「子供が18歳到達年度の末日まで」を境に、給付額は大きく異なり、自営業者は保障が薄い。

死亡保障は損得というより欠かせないサポート

 死亡保険は保険のなかでも最も重要度が高い商品といわれています。
万一の際は経済的損失が大きく、必要保障額も大きいことが理由です。
 結論から言いますと、ナンセンスではあるが単純に保険料と保障のバランスに限った観点でいえば、
損得という勘定では、死亡保険は加入していた方が「得」ではあります。
保険料に対して、定期保険や収入保障保険は圧倒的に保障額が大きい。
ただ、当然ながらそれは保険期間中に万が一のことがあってしまった場合、という条件がつきます。

 では、万一の際の経済的損失を含めると、どうか、計算方法はいくつかあるが、
ここでは生きていた場合に受け取れたあろう金額の損失を測る「ライブニッツ方式」で
試算してみたい。
たとえば年収600万円の35歳男性の場合、同方式での計算では6635万円の遺失利益があります。
 一方で亡くなったときの公的保証を計算してみます。
平成15年以降に初めて就職した人で税込み年収の過去から現在までの平均が480万円なので、
平均標準報酬額が40万円の人の場合で遺族年金を試算。
18歳到達年度までの子供が2人いる期間を13年、1人いる期間を2年と計算すると、
サラリーマンの場合の遺族年金は約2573万円、
65歳までの子供がいない機関について、妻が受け取る遺族年金を約2204万円とすると、
遺族年金は約4580万円となります。
遺失利益と遺族年金の差は約2200万円。これを補うのが民間の死亡保険と考えれば、
その重要性が判断できます。

がんになったとき ・・・ 発症しても生活と治療は続く

※夫35歳。胃がんになったときの5年間の治療費を試算。平均標準報酬月額45万円

◆進行度によって治療費の負担は異なる
高額療養費制度は適用外となり地味に負担が重なることも

がんは部位や進行度によって治療費の負担は大きく異なります。
高額治療費制度がありますが、1か月の治療費が上限に満たない場合もあり、
毎月の負担はかさばります。

◆発症後の収入ダウンもリスク
治療費だけではなく収入減もがんリスクのひとつ

がんは以前と違って「働きながら治す」病気と言われるようになりました。
しかし、発症前と比べて影響なく働けるというケースはむしろ少数派で、収入が減ったというケースは
約6割にものぼります。

高度療養費制度だけでは実費負担ゼロにはならない
 生活習慣病のなかでも、がんは「働きながら治す」ケースが多いといわれます。
ただ、発症前と同様に働けるというわけではなく、治療のために時短勤務や休暇は増え、
必然的にそのぶん収入が減ってしまうケースが多いことも事実です。
では、がんになったときの治療費はどれくらいかかるのでしょう。
部位や進行度、治療方法によってコストの負担は大きく変わりますが、
最も罹患率が高い胃がんの場合、定型手術や抗がん剤治療を行った場合、
1年目の治療費は150万円以上にのぼり、自己負担額は43万円になるデータもあります。

2年目以降も定期的な検査などで年間5万円の自己負担が発生します。
治療費がここまで高額になると、高額療養費制度を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、
同制度は1ヶ月あたりの上限額が決まっており、毎月のように数万円程度の治療費がかかる場合、
それぞれの上限額に満たず年間の治療費が思った以上に積み重なるケースも珍しくありません。
「高額療養費制度があるから大丈夫」とは言い切れないので注意してください。

収入減のリスクまではさすがにカバーできない
 がんの治療費負担をサポートするのががん保険です。
とくに診断給付金は治療費だけではなく、収入減や交通費の雑費などさまざまな費用に充てられるので
使い勝手が良いです。
退院一時金などの保障があればさらに下支えとなるでしょう。
単純に治療費をカバーするという意味では、がん保険の保障内におさまる可能性はあります。
しかし、収入減も含めると経済的損失は大きく膨らみ、やはりがん保険だけでは心もとないでしょう。

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